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子どもが吐いたら?ノロや胃腸炎を家族にうつさない片づけと受診の目安

夜中に子どもが吐いても、片づけより先に見るところと、家族に広げない拭き方の順番が分かれば、落ち着いて動けます。塩素系漂白剤を500mLのペットボトルで薄める量や、今すぐ119番が目安になる症状、翌朝の受診と登園と仕事の段取りも確かめられます。

公開 更新 約11分執筆・監修: 佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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子どもが吐いたら?ノロや胃腸炎を家族にうつさない片づけと受診の目安

この記事でわかること

  • 吐いたものを紙で覆ったら子どもを横向きにし、乾かないうちに外側から内側へ拭き取る
  • 濃度約6%の漂白剤なら、水500mLにペットボトルのキャップ2杯弱で0.1%の液になる
  • ぐったりしている、強い腹痛がある、便に血が混じるときは、消防庁の目安で今すぐ119番
子どもの年齢1〜2歳3〜5歳小学生

子どもが夜に吐いたら、吐いたものにペーパータオルなどをかぶせて、まず子どものそばへ。体を横に向けて口の中を見ます。片づける大人は1人。窓を開け、手袋とマスクを着けてから、乾かないうちに外側から内側へ拭き取ります。

家族のだれかにうつっても、だれかのせいではありません。保育所のガイドラインによると、ノロウイルスは100個以下という少ない数でも人にうつり、吐いたものや便には1グラムあたり100万〜10億個ものウイルスが含まれると言われます。広げないための決め手は、動く順番と、乾く前に片づける速さです。

子どもが夜に吐いたときにすることを時間の順に並べた図。最初の区画は、吐いたものに紙をかぶせたらまず子どもで、寝かせるなら吐いたものが気管に入らないよう体を横向きにし、うがいができる子はうがい、できない子は口に残ったものをそっと取る。頭を打ったあとに吐いたときや意識がぼんやりしているときは、横向きに寝かせて救急車を呼び、その場から動かさない。消防庁の救急受診ガイドで子どもの吐き気・吐いたを選んだとき、無表情でウトウト、または元気なくぐったり、強い腹痛、頭を激しく痛がる、便に血液かイチゴゼリーのようなもの、おなかがパンパンに張っている、のどれかなら、いますぐ救急車を呼ぶ。吐いた直後は片づける大人を1人にし、1吐いたものをペーパータオルなどで覆いほかの家族は別の部屋へ、2窓を開け処理後も換気を続ける、3使い捨ての手袋とマスクと袖付きエプロン、4外側から内側へ静かに拭き取り紙はすぐビニール袋へ、5床を塩素系の液で浸すように拭いて水拭き(濃さは0.1%で、厚生労働省のQ&Aは0.02%)、6袋にごみが浸るくらい0.1%の液を入れて閉じる、7石けんと流水で30秒以上手を洗う(アルコールは代わりにならない)。その夜のうちに、8服とシーツは付いたものを取り除き洗剤を入れた水で静かにもみ洗い、9 85℃で1分以上の熱水で洗濯し、できなければ0.1%の液で消毒してほかの洗濯物と分ける、10すぐ洗えない布団はよく乾かしてスチームアイロンや布団乾燥機、11もみ洗いした所とドアノブ、便座、手すりを0.02%で拭き金属は水拭き、12タオルを共用せず下痢のある人の入浴は最後、13吐いた時刻と回数、便の様子、おしっこの回数をメモ。翌朝は、14受診で便の量、回数、色、におい、血や粘液、食べたもの、周りの同じ症状を伝える、15登園のめやすは嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること、24時間以内に複数回吐いたら控えるのが望ましい、16病児保育は施設の案内で受診と予約を確かめ、子の看護等休暇は小学3年生修了まで年5日、2人以上は10日、時間単位も可、17治ったあとも便にウイルスが出る(厚生労働省のQ&Aで通常1週間ほど、長いと1か月、ガイドラインで3週間以上のことも)のでトイレのあとの手洗いを続ける。迷ったら子ども医療電話相談#8000。
子どもが夜に吐いたとき、直後の5分からその夜、翌朝までにすることを時間の順に並べた一覧作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省、こども家庭庁、総務省消防庁、東京都保健医療局

紙をかぶせたら子どもを横向きに

吐いた直後にまず見るのは、床ではなく子どもです。こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」には、園で子どもが吐いたときの対応がまとまっています。寝かせるなら、吐いたものが気管に入らないよう体を横向きに。うがいのできる子にはうがいをさせ、まだ難しい子なら、吐き気を誘わないように口の中に残ったものをそっと取り除きます。

すぐ救急車を呼ぶ目安もあります。総務省消防庁の救急受診ガイドで子どもの「吐き気・吐いた」を選ぶと、次のどれかに当てはまれば、答えは「いますぐ救急車を呼びましょう」です。1

  • 無表情でウトウトしている、または元気なくぐったりしている
  • 強いおなかの痛み(腹痛)がある
  • 頭を激しく痛がっている
  • 便に血液か、イチゴゼリーのようなものが混じっている
  • おなかがパンパンに張っている

頭を打ったあとに吐いたときや、意識がぼんやりしているときも、急ぐ場面です。ガイドラインの対応は、横向きに寝かせて救急車を呼び、その場から動かさないこと。

片づける大人を1人に決める

なぜ、そこまで急ぐのか。厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」によると、ノロウイルスは乾くと空中に漂いやすく、それが口に入ってうつることがあります。12日以上前に汚れたカーペットからうつった例もあるほど。時間がたっても、吐いたものや汚れた床にはウイルスが残っているかもしれません。だから吐いたものは、乾かないうちに残さず片づけます。

たとえば保育所では、感染症が疑われるとき、応援を呼んでほかの子どもを別の部屋へ移してから処理する流れです。家なら、片づける大人を1人に決め、ほかの家族には別の部屋にいてもらう形になるでしょう。しぶきが届く所にいる人が、それだけ減ります。

片づける人は窓を開けてから、使い捨ての手袋とマスク、エプロンを着けます。この3つはQ&Aが挙げる身じたくで、ガイドラインが処理グッズの例に挙げるのは袖付きのエプロンです。換気は片づけのあとも続けましょう。Q&Aは、処理を終えたあとも、ウイルスが屋外へ出ていくよう空気の流れに気をつけて十分に換気することが、感染を防ぐうえで重要だとしています。

拭き取りの手順は外側から内側へ

床の手順は、上の図の1〜7のとおりです。保育所のガイドラインと厚生労働省のQ&Aを合わせた順で、拭き取りは外側から内側へ静かに。ウイルスを飛び散らせないためです。拭き取った紙はすぐビニール袋に入れ、最後は手袋を外して、液体石けんと流水で30秒以上手を洗います。紙を集めた袋に約1,000ppm(0.1%)の液を入れるのも、Q&Aが望ましいとする手順です。2

2つの資料を読み比べると、床に使う液の濃さが違います。Q&Aは拭き取ったあとの床を約200ppm(0.02%)で拭くとしますが、保育所のガイドラインの表では、吐いたものや便が付いた床や物は0.1%。どちらも国の機関の資料です。家では、吐いた所の床を0.1%、ドアノブや便座を0.02%とすれば、ガイドラインの表どおりになります。袋の中の0.1%は、Q&Aの手順です。

手を洗うときは、アルコールに頼らないでください。Q&Aによると、消毒用エタノールでの手の消毒は、石けんと流水の手洗いの代わりになりません。石けん自体にもウイルスを壊す力はないものの、手の脂などの汚れが落ちると、ウイルスも手からはがれやすくなるからです。

塩素系漂白剤はペットボトルで2本作る

消毒には、家庭用の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)が使えます。Q&Aにも、次亜塩素酸ナトリウムは家庭用の塩素系漂白剤で代用できるとあります。薄め方が具体的なのは保育所のガイドラインの表で、製品の濃度が約6%の場合、0.1%の液は水1Lに約20mL、500mLのペットボトルならペットボトルのキャップ2杯弱(約10mL)。0.02%は水1Lに約4mL、ペットボトルのキャップ0.5杯弱(約2mL)です。東京都の施設向けのマニュアルによると、ペットボトルのキャップ1杯は約5mL。量るのは漂白剤の容器のキャップではなく、ペットボトルのキャップです。

塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)の薄め方の図。製品の濃度が約6%の場合で、ペットボトルのキャップ1杯は約5mL。濃度が違う製品は同じ量では同じ濃さにならないので容器の表示に従う。濃い液の0.1%(1,000ppm)は水500mLにペットボトルのキャップ2杯弱(約10mL)、水1Lなら約20mLで、吐いたものや便が付いた床、吐いたものが付いた服(こども家庭庁のガイドライン)、拭いた紙を入れた袋の中(厚生労働省のQ&A)に使う。薄い液の0.02%(200ppm)は水500mLにペットボトルのキャップ0.5杯弱(約2mL)、水1Lなら約4mLで、ドアノブ、便座、手すり、床、食器の浸け置き(ガイドライン)、もみ洗いに使った場所(Q&A)に使う。吐いたものを拭き取ったあとの床に使う液は、ガイドラインでは0.1%、厚生労働省のQ&Aでは約200ppm(0.02%)と資料で違う。使うときの注意は、酸性のものと混ぜない(有毒な塩素ガス)と、作り置きしないことで、ほかの注意は本文にある。
塩素系漂白剤を500mLのペットボトルで0.1%と0.02%に薄める量の早見(製品の濃度が約6%の場合)作成: 編集部 / 出典: こども家庭庁、厚生労働省、東京都保健医療局

ただ、漂白剤の濃度は製品ごとに違い、厚生労働省のリーフレットも表示をよく確認するよう求めています。つまり、濃度が6%でない製品なら、同じ量では同じ濃さになりません。容器の表示と使用上の注意に従ってください。

寝具と服はその夜のうちに分けて洗う

シーツやパジャマに付いたときは、Q&Aの順がそのまま使えます。付いたものを飛び散らないように取り除き、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗い。しぶきを吸い込まないように気をつけ、そのあと85℃で1分以上の熱水で洗うのが適しています。

熱水で洗えない洗濯機なら、もみ洗いのあと0.1%の液に浸けて消毒し、よくすすいでから、家族のほかの服とは分けて洗います。高温の乾燥機があれば、仕上げに使うと効き目が上がります。最後に、もみ洗いをした洗面台や浴室を0.02%の液で拭き、洗剤で掃除しておきます。濃さは保育所のガイドラインの表、分けて洗う点は厚生労働省のロタウイルスのQ&Aによります。

すぐに洗えない布団は、よく乾かしてから、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的だとQ&Aにあります。じゅうたんやソファのように色柄のあるものは、漂白剤で色が抜けることも。熱で消毒する方法もあり、東京都のマニュアルは材質が熱に耐えるかを確かめたうえで、消毒する所が85℃で1分以上になるようスチームアイロンなどを使う方法を挙げます。

家族への広がりを抑える工夫も、この夜から始めましょう。ドアノブや便座、手すりは0.02%の液で拭き、金属の部分はあとで水拭き。東京都のマニュアルにある家庭向けのリーフレットには、タオルやバスタオルを共用しないことと、下痢のある人の入浴を一番最後にすることが挙がっています。看病した家族にうつったとき、症状が出るまでの時間は資料によって少し幅があります。

2時間以内の受診が目安になる症状

今すぐ119番ほどではなくても、早めの受診を勧められる症状があります。消防庁のガイドで子どもの「吐き気・吐いた」を進むと、次のどれかがあれば「2時間をめやすに病院に行かれたほうが良いでしょう」。1歳未満なら、同じ症状でも答えは今すぐ119番に変わります。

  • 嘔吐を何度も繰り返している(回数の目安は6回以上、または吐いたものに食べ物のかすが見られなくなっても2〜3回以上)
  • 少しの水分をとらせても吐く
  • だんだん吐き気が強くなっている
  • 吐いたものに血か、胆汁(緑がかった液体)が混じっている
  • 乳児で、ミルクのあとに3〜4回以上噴き出すように吐いた
  • 熱がある
  • 泣いても涙がほとんど出ない
  • おしっこの量や回数が減ったり、色が濃くなったりしている
  • 皮膚や唇が乾いている
  • 頻繁に下痢がある

「下痢」を選んだときも同じ形です。便と一緒にたくさんの血、またはイチゴゼリーのようなものが混じっていれば今すぐ119番。次のようなときは2時間をめやすに受診で、こちらも1歳未満なら119番です。

  • 頻繁に下痢がある、または吐いている(嘔吐が3回以上続くときも)
  • 元気がなくぐったりしている、8時間以上うとうとしている(声をかければ受け答えできる)
  • 尿が減ったり濃くなったりしている、泣いても涙がほとんど出ない
  • おなかをかなり痛がる、水分を十分にとれていない
  • 家族や園で同じ症状の人が多い

保育所のガイドラインでは、尿が半日以上出ない、目が落ちくぼんで見える、皮膚の張りがない、といった脱水を疑う様子も、至急受診が必要と考えられる場合に入ります。吐いたあとの水分には、園で吐いたときの対応として「嘔吐して30分~60分程度後に吐き気がなければ、様子を見ながら、経口補水液などの水分を少量ずつ摂らせる」という一文があります。飲ませる量や薬で迷ったら、自分で決めずに、医療機関か子ども医療電話相談(#8000)へ。

#8000と#7119の使い分けや、電話で伝えるメモの作り方は、子どもの発熱、夜や休日に受診する?迷ったときの目安と相談先で確認できます。

翌朝の受診と登園で確認すること

夜のうちにメモしておくと、翌朝の診察で慌てません。ガイドラインは受診のときに伝えることとして、便の量と回数、色、におい、血や粘液が混じっているかを挙げます。子どもが食べたものやその日のできごと、家族やクラスに同じ症状の人がいるかも、伝えることの一部です。便は写真に撮っておくと伝えやすく、診察には便の付いた紙おむつを持っていってもよいとガイドラインにあります。吐いた時刻と回数も、同じメモに足しておきましょう。

保育所の登園のめやすは「嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること」。24時間以内に複数回吐いたときは、登園を控えるのが望ましい場合に入ります。ガイドラインは園に向けて、流行の時期には前の日に吐いた子の登園を控えてもらうよう、保護者に伝えることが大切だとしています。ウイルス性胃腸炎は、医師の診断を受けて保護者が登園届を書くことが考えられる病気です。もっとも、届けが要るかどうかと様式は、地域と園の決まりしだいです。

小学生については、日本学校保健会の解説が、下痢や嘔吐が軽くなったあと全身の状態がよければ登校できる、としています。ただし回復した子でも、排便後の始末と手洗いは重要だと、解説は添えます。

日中だれが見るかは受診とセットで考えます。病児保育を使うなら、受診が要るかどうかと予約の流れを、利用する施設の案内で確かめます。家族で埋まらない日の預け先は、子どもの急な発熱で休めない日の備え、病児保育とシッターの使い分けで比べられます。

会社などに勤めているなら、子の看護等休暇が使える場合があります。厚生労働省の案内では、対象は小学3年生の修了までの子で、1年度に子ども1人なら5日、2人以上なら10日。時間単位でも取れます。看病する大人にうつったときの勤め先での扱いや、職場で人が吐いたときの片づけを職場の側から知りたいときは、姉妹サイトのベンチャー・スピリット!のノロウイルスの職場対策 嘔吐物の処理手順と消毒液の作り方、出勤はいつからへ。

流行の前に片づけ用品を袋にまとめる

Q&Aによると、ノロウイルスによる胃腸炎は毎年11月頃から2月にかけて、乳幼児や高齢者の間で流行します。流行の山が来る前に、片づけに使うものをそろえておきませんか。3

ガイドラインでは、処理に使うものはバケツにまとめて置く形です。家なら、口を閉じられる袋に1セット。夜中でも探さずに済みます。

ワクチンのある胃腸炎もあります。ロタウイルスには乳児期に飲むワクチンがあり、2020年10月から定期接種になりました。一方、ノロウイルスには使えるワクチンがありません。

吐く音で夜中に目が覚めたとき、頭の中で順番を組み立てる余裕は、なかなかありません。次に決めるのは袋の置き場所。洗面所の下でも玄関の収納でも、家族のだれが探しても見つかる場所なら、吐いたあとの5分を子どものそばで使えます。

手順と数字は2026年11月2日に確認した厚生労働省、こども家庭庁、総務省消防庁などが公開している資料によります。受診と登園の判断は、かかりつけ医と、通っている園や学校の案内を優先してください。

注

  1. 消防庁の救急受診ガイドは、全国版救急受診アプリ「Q助」のウェブ版です。症状を選ぶ前に、ふつうに話せるか、息が苦しくないかといった共通の質問があり、子ども(15歳以下)の「吐き気・吐いた」と「下痢」の項目は、そのあとに出てきます。 ↩

  2. 200ppmは0.02%、1,000ppmは0.1%に当たります。Q&Aは亜塩素酸水を使う方法も示したうえで、次亜塩素酸ナトリウムは家庭用の塩素系漂白剤で代用できるとしています。 ↩

  3. 厚生労働省と国立健康危機管理研究機構の感染症週報(IDWR)2026年第42週(10月12日〜18日)では、全国の小児科の定点2,249か所からの感染性胃腸炎の報告は定点当たり2.82で、2週続けて減っていました。定点当たり報告数は報告数を定点の数で割った値で、すべての患者を数えたものではありません。 ↩

出典・参考

佐

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

公開した記事も人が確かめています。記事の中身の責任は編集部が負います。

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