本文へ移動
トップへ

からだと心

子どもの発熱、夜や休日に受診する?迷ったときの目安と相談先

夜中に子どもの熱が上がると、救急車を呼ぶか、朝まで待つかで迷います。消防庁の受診ガイドの3段階の目安、#8000と#7119の使い分け、電話口で読み上げられるメモの見本があれば、夜の判断が少し楽になります。

公開 約7分mamedia 編集部
文字
子どもの発熱、夜や休日に受診する?迷ったときの目安と相談先

この記事でわかること

  • 生後3か月未満で38℃以上の熱は、夜でも早めの受診が目安。2時間がめやす
  • 呼びかけに反応しない、顔色や唇の色が悪いときは、迷わず119番
  • #8000は全都道府県が深夜0時以降も受付。受付時間は県ごとに違う
  • #7119は全国42地域。うち24地域は概ね15歳以上が対象で、子どもは#8000へ

夜11時。寝かしつけたはずの子の背中が熱く、測ると38.5℃。朝まで様子を見るか、夜間の救急外来へ向かうか、それとも救急車か。

熱の数字だけでは、急ぐかどうかは決まりません。消防庁の救急受診ガイドは意識や顔色、水分、おしっこの様子で急ぐ度合いを分けていて、数字そのものが目安になるのは「生後3か月未満で38℃以上」の場合です。迷ったときは、#8000で小児科医師や看護師に相談できます。

熱の数字より先に見る4つのこと

消防庁の救急受診ガイドは症状ごとの質問に進む前に、子どもにも大人にも同じ4つを確かめます。1

  1. いつもどおり、ふつうにしゃべれるか、声は出せているか
  2. ハアハアしていないか、息が苦しそうではないか
  3. 顔色や唇、耳の色が悪くないか、冷や汗をかいていないか
  4. しっかり受け答えができるか

声が出せないときや、顔色や唇の色が悪いときのガイドの答えは「いますぐ救急車を呼びましょう」。呼びかけても反応がないときも同じです。息が苦しそうなら「息が苦しい」の質問へ、受け答えがおかしければ「意識がおかしい」の質問へ進みます。

ただ、まだ話せない赤ちゃんだと「ふつうにしゃべれるか」は判断しにくいですよね。

そういうときに一人で答えを出そうとするより、見たままを#8000に伝えて一緒に判断してもらうほうが確実です。

急ぐ度合いは3つの段階に分かれる

ガイドの「発熱(こども)」の質問を一つずつ読んでみると、熱の高さを聞いているのは「生後3か月未満で38℃以上か」の1問だけでした。残りは、ぐったりしていないか、水分はとれているか、おしっこは出ているか。つまりガイドが知りたいのは、熱の数字の横にある子どもの様子なのです。

子どもの発熱で急ぐ度合いを3段階に分けた図。1は、いますぐ119番(赤)で、呼びかけても反応がない、ふつうに声が出せない、顔色や唇の色が悪い、冷や汗、意識がもうろうとしている、あばれていて受け答えできないとき。2は、できるだけ早めに受診(黄、2時間がめやす)で、生後3か月未満で38℃以上、ぐったりしている、8時間以上うとうと、水分を十分にとれない、おしっこの量や回数が減った・色が濃い、涙がほとんど出ない・口の中が乾いている、持病で熱が出たらすぐ病院にと言われているとき。3は、緊急ではないが受診(緑)で、夜間なら翌日の診察でもよい。迷ったときの電話として、#8000(子ども医療電話相談。全都道府県が深夜0時以降も受付)と#7119(救急安心センター。全国42地域、うち24地域は概ね15歳以上が対象)を並べている。
夜に熱が出たときの急ぐ度合いの3段階と、迷ったときの電話の使い分け作成: 編集部 / 出典: 総務省消防庁・厚生労働省
段階 ガイドの答え 当てはまる様子
赤 いますぐ救急車を呼ぶ 意識がもうろうとしている、おかしなことを口走る、興奮してあばれていて受け答えができない
黄 できるだけ早めに受診(2時間がめやす) 生後3か月未満で38℃以上、元気がなくぐったり、8時間以上うとうと、水分が十分にとれない、おしっこの量や回数が減った・色が濃い、涙がほとんど出ない・口の中や舌が乾いている、おしっこのときに痛がる
緑 緊急ではないが受診(夜間なら翌日の診察でもよい) 上のどれにも当てはまらない

表で意外なのは、いちばん軽い「緑」でも「受診しましょう」となっている点です。今夜は待ってよくても、受診そのものを省いてよいとは書かれていません。

持病があり、主治医から「熱が出たらすぐ病院に」と言われている子も「黄」に入ります。一方、せきや吐き気、下痢、発疹、耳の痛みがあるときは、それぞれの症状の質問に進む流れです。

では、熱と一緒にけいれん(ひきつけ)が起きたらどうでしょう。こちらは別の質問になります。けいれんがまだ続いている、おさまっても意識が戻らない、顔や唇の色が紫色のまま、のどれかなら、ガイドの答えは「いますぐ救急車」です。

生後3か月未満は、熱の数字そのものが目安

消防庁のガイドで「生後3か月未満で38℃以上の発熱がある」は、ぐったりしているのと同じ「黄」の段階です。ほかに気になる様子がなくても、この条件だけで「できるだけ早めに受診」になります。

日本小児科学会のサイト「こどもの救急」でも、38℃以上の発熱のページで選ぶ項目の中に「生後3か月未満である」が、ぐったりしている、呼吸があらく苦しそう、顔色が悪い、と並んでいます。2このサイトは生後1か月から6歳までの子が対象で、夜間や休日に病院へ行くかどうかの目安を示すものです。

2つの公的な目安が、同じ線を引いているわけです。3か月未満の赤ちゃんが38℃以上になったら、朝まで待つかどうかを考えるより先に、今夜の受診先を探しはじめましょう。どこの病院が開いているか分からない夜には、次の節の電話が役に立ちます。

#8000は受診するかを一緒に考える番号

子ども医療電話相談(#8000)は休日や夜間に子どもの症状にどう対処するか、病院を受診したほうがよいかで迷ったときの相談窓口です。政府広報オンラインの案内によると、小児科医師や看護師に相談し、アドバイスを受けられます。

#8000を押すと、住んでいる都道府県の窓口につながります。受付時間は県ごとに違い、厚生労働省の一覧(2026年5月22日現在)では、茨城県のように24時間365日受け付ける県もあれば、北海道のように毎日19時から翌朝8時までの県もあります。それでも47都道府県のすべてが、深夜0時以降も受け付けるようになりました。

#8000がつながらないときのために、同じ一覧には都道府県ごとの一般の電話番号も載っています。

相談の件数は、長い目で見ると増えてきました。厚生労働省の集計では、全国の相談件数は2016年度に約86万件で、2024年度は110万件を超えています。3夜に電話をかけるのは、少しも特別なことではありません。

相談できるのは受診の判断だけではありません。厚生労働省は2018年の通知で、実際の相談には家での看病の仕方や薬についての相談も含まれているとして、名前を「小児救急電話相談」から「子ども医療電話相談」に改めました。「救急というほどではないかも」と遠慮しなくてよい番号です。

救急車か迷うときの#7119は地域を確認

救急安心センター事業(#7119)は救急車を呼んだほうがいいのか、今すぐ病院に行ったほうがいいのかで迷ったときの窓口です。消防庁によると、医師や看護師、救急救命士が電話で助言し、緊急性が高いと判断すれば119番への転送などにつなぎます。受診できる医療機関も案内してもらえます。

ただし、子どもが相談の対象に入らない地域もあります。消防庁の一覧によると、#7119を実施しているのは全国42地域。そのうち東京都内や神奈川県内など18地域は全年齢が対象ですが、千葉県内や名古屋市内など24地域は概ね15歳以上が対象で、15歳未満は#8000に回るよう案内があります。

自分の地域がどちらなのか、夜になってからでは調べにくいもの。元気な日のうちに一覧を開いておくと安心です。もう一つ、消防庁のアプリやウェブ版の「Q助」も手元にあると便利です。この記事で紹介した救急受診ガイドと同じ質問に答えていくと、急ぐ度合いが表示されます。

電話や受診の前に確認すること

電話口では、熱が出た時刻や水分のとり方を順に聞かれるはずです。慌てていると数字が出てこないので、次のメモを手元に置いてから電話すると話が早く進みます。項目は消防庁のガイドと日本小児科学会のサイトが聞いている内容に合わせて、編集部が並べました。

メモを書いたら、次の順で動きます。

  1. 体温を測り、時刻と一緒にメモに書く
  2. 声、呼吸、顔色、受け答えの4つを確かめる
  3. 「いますぐ救急車」の目安に当てはまれば、119番に電話する
  4. 迷うときは#8000に電話し、メモを読み上げる
  5. 受診するなら、メモと保険証、自治体の医療証を持って出る

スマートフォンのメモに見本を写しておき、熱が出たら書き足す使い方もできます。パートナーや祖父母が付き添うときも、このメモがあれば同じ説明ができるでしょう。翌日も熱が下がらず、仕事をどう調整するかで迷うときの備えは、病児保育とシッターの使い分けの記事で詳しく扱っています。

夜11時の38.5℃に戻ると、見るのは数字の横にある、子どもの声と顔色、それにおむつです。当てはまる項目がなく、それでも胸がざわつくなら、その気持ちのまま#8000に電話していい。迷っている時間ごと、相談に乗ってもらえます。

この記事の内容は、2026年10月30日に確認した総務省消防庁、厚生労働省、日本小児科学会の情報によるものです。症状の判断に迷うときは、医療機関か#8000に相談してください。

注

  1. 消防庁の「緊急度判定プロトコル」のうち、家庭で使う「救急受診ガイド(家庭自己判断)」。アプリとウェブ版の「Q助」はVer.2をもとに作られていて、この記事の発熱とけいれんの質問はQ助のウェブ版で確認しました。最初の4つの質問は、公開されているVer.3でも同じです。 ↩

  2. 「こどもの救急」は2026年10月30日の確認時にメンテナンス中で開けなかったため、項目は同じサイトの2026年6月時点の公開内容で確認しました。 ↩

  3. 2024年度は、厚生労働省「♯8000全国相談件数(平成16年度〜令和6年度)」のグラフによります。グラフに数値の記載はありませんが、2024年度の棒は100万件と120万件の目盛りの中間より上に届いています。2016年度の約86万件は、厚生労働省の2018年4月18日の通知に書かれた数字です。 ↩

出典・参考

まちがいに気づいたらお問い合わせからお知らせください。直したときは、記事の最後に何を直したかを書きます。

この記事を共有する