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仕事と両立

子どもの急な発熱で休めない日の備え、病児保育とシッターの使い分け

子どもが朝に熱を出しても、元気なうちに登録しておけば頼める先は増えます。病児保育とファミリー・サポート・センター、ベビーシッター、家族の4つを、予約と当日の動き、費用の調べ方、登録の手間で比べられます。

公開 約8分mamedia 編集部
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子どもの急な発熱で休めない日の備え、病児保育とシッターの使い分け

この記事でわかること

  • 公的な病児保育は全国4,342か所(2023年度)。自宅に来る訪問型は5か所だけ
  • 病児保育は受診と医師の連絡票が前提で、登録は施設ごとに元気なうちにすませる
  • シッターの割引券は1枚2,300円。勤め先が制度に加わっているかで使えるかが決まる

朝の検温で熱があると分かったとき、最初に浮かぶのは「今日はだれが見るか」ではないでしょうか。頼める先は病児保育、ファミリー・サポート・センター、ベビーシッター、そして家族の4つです。家族のほかは、どれも元気なうちの登録や顔合わせが前提になります。準備は子どもが元気な今のうちに。

4つの頼み先を、熱の朝の動きで比べる

頼み先 前日と当日 登録と費用
病児保育 予約の方法は施設ごと。当日は受診してから、空き次第 施設ごとに事前登録。料金は市区町村が決める
ファミサポ 顔合わせをすませた会員に頼む 会員登録と事前の打ち合わせ。料金はセンターの会則
ベビーシッター 申し込みの締め切りは事業者ごと 事業者と契約。割引券や自治体の助成が使えることも
家族 前の晩までに分担を決める 登録は要らない。休み方は勤め先の決まりによる

表で先に見てほしいのは、「当日」の動きです。病児保育は医師の受診が先なので、朝いちばんに預けて出社、とはいきません。ファミサポも、病気の子を預かるかどうかはセンターで違います。つまり、熱の朝にすぐ動ける手は思ったより少なく、どれを何番目に使うかを前もって決めておくことが、いちばんの備えになります。

4つの頼み先の比較表。病児保育は前日までに施設に予約し、満員ならキャンセル待ちもある。当日はかかりつけ医を受診して医師の連絡票をもらってから預ける。費用は市区町村の案内で、横浜市は1日2,000円。施設ごとに事前登録が要る。ファミリー・サポート・センターはセンターに頼み会員と日時を合わせる。当日の依頼を受けるか、病児を預かるかはセンターで違う。費用はセンターの会則で、広島市の病児は平日1時間900円。会員登録と説明、顔合わせが要る。ベビーシッターは事業者に申し込み、病児を受けるかも聞く。締め切りは事業者ごと。費用は事業者の料金表で、割引券は1枚2,300円、自治体の助成もある。届出と保険を見て契約する。家族は前の晩に分担を決め、当日は受診と送り迎えを分ける。看護等休暇は時間単位でも取れる。数字では、公的な病児保育は2023年度に4,342か所で延べ134万8,088人が利用、うち訪問型は5か所、ファミサポは2024年度に1,009市町村で実施、シッターの指導監督基準への適合率は2023年度に56.8%。
病児保育、ファミサポ、シッター、家族を、予約と当日の動き、費用、登録で比べた表作成: 編集部 / 出典: こども家庭庁、全国保育サービス協会、横浜市、広島市

病児保育は「受診してから」が決まり

病児保育は市区町村が実施する公的な事業です。こども家庭庁の資料では、2023年度の施設は全国4,342か所、延べ134万8,088人が利用しました。種類は次の4つです。

種類 どんな子を見るか か所数
病児対応型 回復期に至らないが、症状の急変がない子 1,282
病後児対応型 回復期にあるが、集団保育が難しい子 652
体調不良児対応型 園で保育中に体調を崩した子(お迎えまで) 2,403
非施設型(訪問型) 病児と病後児を自宅で見る 5

意外なのは、自宅に来てくれる訪問型が全国で5か所しかないことでした。公的な病児保育は、ほぼ「施設に連れて行く」ものと考えておくと、計画が立てやすくなります。乳幼児だけでなく、市町村が認めた小学生も対象です1。

利用の前提は、かかりつけ医の受診です。国の実施要綱では、受診のあとに保護者と相談して受け入れを決めます。医療機関ではない施設が病児対応型や訪問型で預かるときは、医師が「入院の必要性はない」と署名した連絡票で症状を確認する決まりです。

横浜市の案内を例にすると、形がつかみやすいでしょう。

  • 平日の8時30分から18時まで。土日と祝日は休み
  • 生後6か月から小学6年生まで
  • 1日2,000円。生活保護世帯、市民税非課税世帯、ひとり親家庭等福祉医療証の交付世帯は0円
  • 施設ごとに事前登録をし、受診のときにかかりつけ医に「利用連絡書」を書いてもらう

この連絡書は、休日急患診療所や夜間急病センターでは原則として作れません。熱の朝は、まずかかりつけ医の受付時間を見ることになりそうです。横浜市と川崎市のように、隣の市の施設を使える協定を結んでいる所もあります。

予約がいっぱいでも、すぐにはあきらめずに。こども家庭庁のFAQには、当日のキャンセルで空いた枠をキャンセル待ちの人が使う場面が出てきます。もう1つ、通っている園が体調不良児対応型をしているかどうかも、園に聞いておくとよいでしょう。保育中に熱が出ても、お迎えまで看護師などが見てくれる仕組みです。

ファミサポは、近所の人との顔合わせが先

ファミリー・サポート・センターは、子どもを預けたい人と預かりたい人が会員になって助け合う、市区町村の事業です。こども家庭庁によると、2024年度は1,009市町村で実施され、預ける側の会員は60万人、預かる側は14万人、両方の会員が4万人います。料金は会員どうしで決めるのが原則ですが、センターが会則などで目安を決めることもできます。

病気の子を預かるかどうかは、センターごとに違います。国の実施要綱でも、病児や病後児の預かりは基本の事業とは別の「病児・緊急対応強化事業」に分けられています2。

広島市の例で、流れを追ってみましょう。登録のときに40分ほどの説明を受け、紹介された提供会員の家を子どもと一緒に訪ねて、時間や内容を打ち合わせます。病児と病後児を預かれるのは、専門の講習を受けた会員だけで、医療機関を受診していることが条件です。料金は平日7時から19時までなら1時間900円(病児と病後児の場合)で、前日までのキャンセルは無料。当日の取り消しは、半額か全額。

入会の説明、提供会員の紹介、家を訪ねての打ち合わせ、事務局への報告。ここまで終えて、ようやく頼めるようになります。熱が出てから始めても、その朝には間に合いません。入園が決まった春や引っ越した直後など、暮らしが変わる時期にあわせて済ませておくと、頼める先が1つ増えます。

ベビーシッターは、届出と面会で見極める

ベビーシッターは、法律の上では「認可外の居宅訪問型保育事業」にあたります。1日に1人でも子どもを預かる事業なら、会社でも個人でも、始めてから1か月以内に都道府県などへの届出が必要です。毎年の運営状況も報告し、都道府県はそれを取りまとめて公表することになっています3。

届出をしていても、安心とは言い切れません。国の基準では、保育する人は保育士か看護師、または都道府県などの研修を終えた人でなければなりません。ところが、こども家庭庁の資料にある2023年度のベビーシッターの基準適合率は56.8%でした。半分を少し超える程度という数字に、正直驚きました。

こども家庭庁は利用するときの注意を10項目にまとめています。そのうち頼む前に確認できるものに、病気の子を頼むときの1点を足すと、次のとおりです。

マッチングサイトで個人のシッターに頼む場合は、もう一段の注意がいります。こども家庭庁は、サイトが国のガイドラインに合っているかを調べた結果も見るよう勧めています。

2026年12月25日には、こども性暴力防止法が施行されます。国の認定を受けた事業者は「認定事業者マーク」を表示できるようになり、ベビーシッターの会社も認定を受けられます。ただ、1人で事業をしている個人のシッターは、この法律の対象ではありません。

割引券と自治体の助成は、使える条件が決まっている

シッター代の負担を減らす仕組みは、大きく2つです。

1つはこども家庭庁の「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」の割引券です。実施する全国保育サービス協会の2026年度の要綱では、1枚2,300円で、子ども1人につき1回2枚まで、1家庭で月24枚、年280枚まで使えます。対象は乳幼児から小学3年生まで(障害のある子は6年生まで)で、自宅での保育と、自宅と園のあいだの送迎が対象です。

ただし、使えるかどうかは勤め先しだいです。勤め先が協会の承認を受けていて、そこに直接雇われていることが条件です。使えるのは、配偶者の仕事や病気、ひとり親であることなどの事情で、シッターを使わないと本人が働けないときです。割引券を扱える事業者も、協会が認めた所に限られます。勤め先が制度に加わっているかは、勤め先の担当の窓口に聞くのが早いでしょう。職場での手続きは別の記事で扱います。

もう1つは自治体の助成です。たとえば東京都は、区市町村がシッター代の負担を軽くする場合に、都がその費用の一部を補助しています。実施するかどうかと細かな条件は区市町村ごとに違い、都が認定した事業者が対象です。お住まいの自治体のサイトで、「ベビーシッター」「一時預かり」の助成を探してみてください。

3〜5歳の子なら、幼児教育・保育の無償化が関わることもあります。こども家庭庁の案内では、市町村から「保育の必要性の認定」を受けた3〜5歳の子は、ベビーシッターを含む認可外保育施設や病児保育、ファミリー・サポート・センターの利用料が、月3.7万円まで無償化の対象です(0〜2歳は住民税非課税世帯で月4.2万円まで)。ただし対象は、保育所や認定こども園などを利用できていない子に限られます。シッターの場合は、都道府県などに届け出て国の基準を満たしていることも条件です。保育園に通っている子は多くの場合当てはまらないので、待機中や認可外の園に通っているときに、市町村の窓口で確認してみてください。

元気なうちに済ませる段取り

熱の朝に迷わないよう、次の順で準備しておくと安心です。

  1. 近くの病児保育の施設を2か所調べ、隣の市の施設も使えるかを聞く
  2. 施設ごとに事前登録をすませ、連絡票の様式を保存しておく
  3. かかりつけ医の受付時間を、家族みんなのスマートフォンに登録する
  4. ファミサポの説明を受けて会員になり、提供会員と顔合わせをする
  5. シッターを使うなら、届出と保険を確認した事業者と契約し、元気な日に一度来てもらう
  6. 勤め先の割引券や、自治体の助成が使えるかを調べる
  7. 熱の朝の分担を、家族で決めておく

最後の分担は、いちばん後回しにされがちかもしれません。子の看護等休暇は、2025年4月から小学3年生の修了まで使えるようになり、子ども1人なら年5日、2人以上なら年10日、時間単位でも取れます。午前はパートナーが休んで受診し、午後は自分が代わる。そんな分け方も、時間単位なら組みやすくなります。

祖父母に頼む家庭も、「どの施設に登録してあるか」「連絡票はどこにあるか」を書いたメモを渡しておくと、引き継ぎが楽になります。小学校に上がってからの放課後と長い休みの備えは、小1の壁に年長の秋から備えるで取り上げました。

朝の検温の数字は、どうしても変えられません。でも、その朝に開ける連絡先の数は、今週のうちに増やせます。

この記事の制度と数字は、2026年10月30日に各機関の公式サイトで確認したものです。

注

  1. 病児保育事業実施要綱(2024年3月30日こども家庭庁成育局長通知、2025年3月31日改正)。 ↩

  2. 子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)実施要綱(2024年3月30日)。 ↩

  3. 児童福祉法第59条の2、第59条の2の5。2026年4月からは、シッターと委託契約を結んで保育を提供させる運営者も届出の対象になりました。 ↩

出典・参考

まちがいに気づいたらお問い合わせからお知らせください。直したときは、記事の最後に何を直したかを書きます。

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