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子育て

サンタは本当にいるの?と聞かれたら、答え方の例といつまで続けるか

「サンタは本当にいるの」と聞かれたら、答える前に、どうしてそう思ったのかを聞き返すと、子どもが確かめたいことが見えてきます。聞く理由ごとの最初の一言と正体の伝え方、きょうだいや祖父母との合わせ方、答え合わせを考える合図までが、研究の数字と一緒に分かります。

公開 更新 約12分執筆・監修: 佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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サンタは本当にいるの?と聞かれたら、答え方の例といつまで続けるか

この記事でわかること

  • サンタを信じなくなる年齢は平均8歳前後だが、研究でも個人差は大きい
  • 「どうやって一晩で回るの?」は、信じたまま仕組みを考えている問いのこともある
  • 知って悲しみや怒りを感じた子は約3分の1で、多くは長く続かなかった
子どもの年齢3〜5歳小学生

「友だちの何人かが、サンタクロースはいないと言います。……本当のことを教えてください。サンタクロースはいるのですか」。1897年、ニューヨークの新聞「ザ・サン」に、8歳のバージニア・オハンロンが送った手紙の一節です。

この問いへの答えは、本当のことを言うか、守り続けるかの二択ではありません。子どもが信じたまま仕組みを考えているのか、友だちに言われて気になっているのか、証拠を見つけたのか。それとも、もう分かっていて答え合わせをしたいのか。聞いている理由が見えれば、その場で返す一言は選べます。

奇しくも、2023年にアメリカのテキサス大学ダラス校の研究チームが発表した論文でも、サンタを信じなくなった年齢は平均で8歳前後と、バージニアと同じ年ごろでした。1ただ、ばらつきは大きく、同じクラスの8歳でも、まだ信じている子もいれば、とうに気づいている子もいます。

聞く理由を4つに分けてみる

子どもが「本当にいるの?」と口にするまでには、たいてい何かのきっかけがあります。三重大学の富田昌平教授が大学生に子どものころを振り返ってもらった研究では、プレゼントの隠し場所や包み紙に気づいたこと、置く瞬間を見てしまったこと、サンタへの手紙を見つけたことなどが挙がりました。親や年上のきょうだい、友だちの言葉も、疑いに拍車をかけていたそうです。

2023年の論文でも、多くの人が、ほかの人から聞いた話を知るきっかけに挙げました。自分の目で見たことや、筋道を立てて考えたことを挙げた人もいます。一方、1994年に発表された52人の子どもの研究では、多くが7歳ごろに自分で気づいていました。2きっかけは研究によっても子どもによっても違い、一つには決まらないようです。

ただ、疑うような問いを口にしたからといって、もう信じていないとは限りません。

アメリカの大学が3〜9歳の47人に話を聞いた研究では、全員が、サンタを信じていると受け取れる答えをしました。それでも年上の子ほど、「えんとつにどうやって入るの?」のように仕組みを問う質問をサンタに向け、答えの分からないところには自分なりの説明を考えていました。3同じ研究チームが、サンタあてのメールのうち質問を含むものを年齢で分けると、仕組みを問う質問は4〜6歳で19通のうち3通、7〜9歳で26通のうち12通でした。論文によると、こうした質問を多く向けた子ほど、信じなくなる手前にいることが多かったそうです。

テキサス大学ダラス校のキャンディス・ミルズ教授によると、12月に週2回、親子の会話を報告してもらった調査では、ある日に疑うような質問をした子が、次の日にはすっかりサンタの世界に戻っていることもあったといいます。富田教授の研究でも、幼児期の終わりから小学校の中ごろの子どもは、信じなくなる気持ちと信じようとする気持ちを併せ持ち、そのあいだで揺れ動くとされました。

親の見立ても、当てになるとは限りません。富田教授が4歳児30人、6歳児32人、8歳児29人とその親に聞いた2002年の研究では、「うちの子はまだ信じていると思う」という親の予想と、子ども本人の答えのあいだに、はっきりした結びつきは見られませんでした。

だから最初の一言は、答えより「どうしてそう思ったの?」という問い返しが使いやすいと思います。返ってきた言葉の中に、聞いている理由が出てくるからです。子どもの言葉から聞き方を4つに分け、見分けるヒントと最初に返す一言を例として並べたのが、次の図です。

「サンタは本当にいるの?」と聞かれたときの図。同じ問いでも聞く理由は違うので、答える前にまず聞き分ける。分け方と一言は編集部の例。1、仕組みが気になる。子どもの言葉の例は「一晩で世界中の家を、どうやって回るの?」。信じたまま「どうやって」と聞く。疑い始めの入口のことも。最初に返す一言は「〇〇は、どうやってだと思う?」で、その次は子どもの説を一緒に楽しむ。2、友だちに言われた。例は「〇〇くんが、サンタはいないって言ってた」。友だちの名前が出て、困った顔やむっとした顔のことも。最初の一言は「そう言われて、どんな気持ちだった?」で、その次は友だちを悪者にせず家の考えを話す。3、証拠を見つけた。例は「押し入れに、プレゼントと同じ包み紙があったよ」。見た物や場所をはっきり挙げ、何度も確かめに来ることも。最初の一言は「よく気がついたね。それで、どう思った?」で、その次は話すかこのままかを本人にも選んでもらう。4、答え合わせをしたい。例は「本当はおうちの人でしょ?怒らないから教えて」。落ち着いた顔で答えを確かめるように聞くことも。最初の一言は「本当のことを知りたい?」で、その次はサンタ役はおうちの人だったと理由を添えて伝える。研究で分かっていること。サンタを信じなくなった年齢の平均は8歳前後で、子ども48人と大人383人に聞いた2つの調査のどちらでもばらつきは大きい(米国の大学の研究、2023年)。知ったときに悲しみや怒りなどを感じた子どもは約3分の1、大人の振り返りでは約半数で、2週間ほどより長く続いた人は3分の1未満(同)。サンタあての質問のメールのうち仕組みを問うものは、4〜6歳が19通中3通、7〜9歳が26通中12通で、別に面接した3〜9歳の47人は全員が信じていると受け取れる答えをした(米国の大学の研究、2015年)。園のクリスマス会に来た扮装のサンタを、4歳児は本物、6歳児は偽物と見やすく、夜にプレゼントを届けるサンタは6歳児も本物と判断(日本の保育園での研究、2009年)。まとめ:疑うような問いでも、信じたまま考えていることがある。どれか分からないときは「どうしてそう思ったの?」と聞き返してから選ぶ。
子どもの言葉から聞く理由を4つに見分け、最初に返す一言を選ぶ図と、研究で分かっている数字作成: 編集部 / 出典: Millsほか(Developmental Psychology)、ShtulmanとYoo(Cognitive Development)、富田昌平(発達心理学研究)をもとに作成

聞き方ごとに、その場で返す一言

図の一言は、会話の入り口にすぎません。その先の言葉は、家庭がサンタを続けたいか、そろそろ答え合わせをしたいかで変わります。まだ決めかねているなら、どちらにするかを子どもと一緒に選ぶ言い方もあります。

信じたまま、仕組みを考えているとき

「一晩で世界中の家を回れるの?」と聞かれると、どきっとするかもしれません。でも、仕組みを問う質問は、信じたまま考えを広げている子からもよく出ます。富田教授の研究のまとめにも、子どもは4、5歳ごろから空想の存在を疑うようになると同時に、その不思議さを楽しめるようになるとあります。

園のサンタをめぐる研究からも、この揺れが見えてきます。保育園の4〜6歳児に聞いた富田教授の2009年の研究では、4歳児は昼のクリスマス会に来た扮装のサンタを「本物」と考えやすく、6歳児になると「偽物」と見やすくなりました。それでも、夜中にプレゼントを届けてくれるサンタについては、6歳児も「本物」と判断していたようです。「園のサンタは〇〇くんのお父さんだよ」と言い出しても、サンタそのものを疑っているとは限りません。

こう聞かれたときは、大人が答えを出しきらずに子どもの考えを聞くと、会話が続きやすくなります。ミルズ教授も、理屈を問う質問には、子どもの考えを聞き返す返し方や、「〜と考える人もいる」と伝える返し方を挙げました。

最後の言い方に近い答えは、富田教授が大学生110人に尋ねた調査にも出てきます。5歳の子に聞かれても12歳の子に聞かれても、答えは基本的に「いる」と返すものでしたが、12歳の子のときは5歳の子のときより、「あなたはどう思う?」と聞き返す答えや、信じる子どものもとに現れると伝える答えが少し増えていました。

友だちに言われて聞くとき

「〇〇くんが、サンタはいないって言ってた」。友だちの名前が出てくるときは、事実と同じくらい、揺れた気持ちを聞いてほしいのかもしれません。図の一言で気持ちを受け止めてから、家の考えを伝えます。

このとき、友だちをうそつきにしない言い方を選んでおくと、園や学校で気まずくなりにくいはずです。サンタの考え方は家によって違い、もともとサンタの話をしない家庭もあります。

証拠を見つけたとき

押し入れで同じ包み紙を見た、サンタの手紙の字がだれかの字に似ている。見た物や場所をはっきり挙げてくる子は、答えのすぐそばまで来ているのでしょう。

ここで作り話を重ねてしのぐと、あとで知ったときの気持ちが重くなるかもしれません。ミルズ教授によれば、だまされたと感じたときに、それを自分に向けられたことのように深く受け止めやすい子もいるそうです。まずは見つけた力を認め、その先をどうするかは子どもにも選んでもらうと、話がこじれにくくなります。

もう分かっていて答え合わせしたいとき

「本当はおうちの人でしょ? 怒らないから教えて」。落ち着いた顔で聞いてくる子は、ほぼ答えを分かったうえで、親の口から聞きたがっているように見えます。

1994年の研究では、子どもの反応はおおむね前向きでした。ミルズ教授らの研究でも、自分で見抜いた誇らしさや、それでもプレゼントはもらえるうれしさを挙げた人がいます。正体を伝えるときは、たとえば次の順にすると、短くても気持ちが伝わります。

  1. 気づいたことを、まずほめる。
  2. サンタの役はおうちの人だったと、短く伝える。
  3. 喜ぶ顔が見たくて続けてきたと、理由を添える。
  4. 下の子やいとこがいれば、これからはサンタを手伝う側に、と誘う。

正体を伝えたあとも「サンタはいる」と言い続けたい家庭には、ザ・サンの答えが手がかりになります。社説はバージニアに、「愛や思いやりや真心が確かにあるように、サンタクロースも確かにいるのです」と返しました。

上の子が知って、下の子は信じているとき

きょうだいがいると、知る時期は一人ずつずれます。

上の子が知ったら、秘密を守る側の役を頼む方法があります。知った寂しさが、任された誇らしさに変わることもあるでしょう。頼むときは、断ってもいいと伝えておきます。

上の子のプレゼントを「サンタから」にし続けるか、家族からに切り替えるかは、家庭で決めてよいところです。どちらにしても、開ける朝だけはきょうだいでそろえる、というやり方があります。

けんかの勢いで、上の子が「サンタなんていないよ」と言ってしまう日もあります。下の子には友だちに言われたときと同じように気持ちから聞き、上の子を責めすぎないようにします。上の子にとっても、秘密を抱え続けるのは重いことです。知る年齢にばらつきがある以上、下の子のほうが先に気づく家もあるはずです。

サンタをしない家庭もある

宗教や考え方から、サンタの話をしない家庭もあります。富田教授が公立の幼稚園と保育園104園に尋ねた調査では、クリスマスの行事はほとんどの園で行われていましたが、一部は「お楽しみ会」などと名前を変えていました。扮装したサンタを登場させることの心配として、宗教色の強さを挙げた園もあります。

つまり園や学校には、信じている子も、もう知っている子も、もともとサンタが来ない家の子もいます。

少し気をつけたいのが、「いい子にしていないとサンタは来ないよ」という言い方です。サンタが来ない家の友だちを「いい子じゃない」と見る話に、つながりかねません。

知ったあとの気持ちと、親の寂しさ

知ったときに、がっかりする子はいます。ミルズ教授らの論文では、悲しみや怒りなど何らかの嫌な気持ちを感じた人は、子どもで約3分の1、子どものころを振り返った大人で約半数でした。親がサンタを強く盛り上げていた家ほど、こうした気持ちが出やすかったことも分かりました。

それでも、嫌な気持ちが2週間ほどより長く続いた人は3分の1に満たず、親への信頼を大きく失ったという報告は見られなかった、とミルズ教授は話しています。研究に参加した子どもも大人も大多数が、自分の子どもともサンタを楽しみたい、あるいはすでに楽しんでいると答えました。教授によると、その割合は87〜95%ほどです。

知ったときに嫌な気持ちばかりを感じた大人は、知った年齢が高い、突然知った、ほかの人から聞かされた、のどれかに当てはまりやすいことも分かりました。ミルズ教授はこうした人について、知る時期や知り方を自分で決められたという感覚が薄かったのかもしれない、と見ています。

富田教授は大学生の振り返りの研究で、知ったその瞬間より、そのあとでどう意味づけて振り返るかのほうが大切ではないかと考察しています。がっかりした顔を見たら、気持ちを打ち消さずに受け止める一言から始めます。

寂しさは親のほうに残ることもあります。1994年の研究では、子どもが知ったことを、むしろ親のほうが悲しんでいました。それだけサンタの時間を大事にしてきたということなのでしょう。

聞かれる前に、家族で確認すること

子どもはそのとき、そばにいる大人に聞きます。パートナーが「いるに決まってるよ」と言い切り、祖父母が「本当はね」と話してしまうと、子どもはどちらを信じればいいのか迷ってしまいます。

大人が1人で担う家庭なら、祖父母や親せきに方針を一言伝えておくだけでも、答えのずれは防げます。プレゼントを選ぶ順番や置き場所は、子どものクリスマスプレゼント、0歳から小学生まで年齢別の選び方と予算と一緒に考えると、準備をだれが受け持つかまで決めやすくなります。

いつまで続けるかは、年齢より合図で

では、いつまで続ければよいのでしょう。何歳で終えると決まっているわけではありません。海外の論文では平均8歳前後、日本でも富田教授の2002年の研究で、空想の存在が本当にいるかどうかを分けて考え始める時期は6歳から8歳の間とみられます。大学生110人の振り返りでも、サンタを信じる気持ちは小学校の中ごろに大きく変わりました。ただ、どの研究にも個人差があります。

年齢の代わりに、次のような合図が重なってきたら、答え合わせを考える時期かもしれません。

  • 同じ問いを、日を変えて何度も聞いてくる
  • 見た物を挙げて、筋道を立てて聞いてくる
  • 友だちとのやりとりで、つらそうにしている
  • 「本当のことを知りたい」と自分から言う

高学年になっても信じているように見えるなら、外で突然知る前に、家で静かに答え合わせをする場を作る選び方もあります。知ったときの嫌な気持ちが強かった大人に多かった、遅く、突然、人から、という知り方を避けられるのは、家族だからこそでしょう。

バージニアの手紙は「本当のことを教えてください」と頼んでいました。続ける家庭も、答え合わせをする家庭も、その頼みにまっすぐ向き合う一言から始めれば、12月の会話は、何年かたって笑って思い出せるものになると思います。

論文と資料は2026年11月2日に確認しました。

注

  1. Millsほか「Debunking the Santa myth」(Developmental Psychology、60巻1号、2024年)。研究1は6〜15歳の子ども48人とその親44人、研究2は子どものころを振り返った大人383人に聞きました。オンラインでの公開は2023年11月13日です。 ↩

  2. AndersonとPrentice「Encounter with reality」(Child Psychiatry and Human Development、25巻、1994年)。サンタを信じなくなった子ども52人に面接し、親にも質問紙で尋ねました。 ↩

  3. ShtulmanとYoo(Cognitive Development、34巻、2015年)。南カリフォルニアの保育施設と小学校の47人で、信じているかは直接聞かず、受け答えから判断した研究です。メールの調査は、公開されたサンタあてのメールのうち、質問を含む45通を年齢で分けたものです。 ↩

出典・参考

佐

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

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