お歳暮を何年続けるかに、決まりはありません。義実家にも親戚にも、毎年贈るか、今年で区切るか、初めから贈らないかを、相手ごとに家族で決めてよいのです。
贈る年は、一般的には12月20日ごろまでに届くように手配します。間に合わなくても、年が明けてから表書きを替えれば大丈夫。宅配の箱に入れてよい手紙は、封をしない添え状で、品物に添えるお礼やあいさつまで。近況を伝える手紙は、郵便で別に出します。
お歳暮に「いつまで」の決まりはない
お歳暮は、1年のお礼を年末に伝える慣習です。法律や公的な決まりがあるわけではなく、だれに贈るかも、何年続けるかも、家ごとに違います。
一般的には、お歳暮は一度始めたら毎年続けるもので、一度きりのお礼なら表書きを「御礼」にする、という考え方があります。結婚した年から義実家に贈っている、という家もあるでしょう。でも、子どもが生まれて行き来が増えたり、帰省のたびに手土産を持っていくようになったりすると、品物を送る意味も少しずつ変わっていくはずです。
続けるかどうかを全員分まとめて決めようとすると、話は重くなるもの。相手ごとに次の3つから選ぶなら、ずっと気が楽です。
| 続け方 |
向く相手の例 |
年末のあいさつ |
| 毎年贈る |
年に何度も会えない |
添え状に一言 |
| 今年で区切る |
行き来や帰省が増えた |
最後の年に一言添える |
| 贈らない |
普段から顔を合わせる |
年賀状や電話で |
迷いやすいのは2行目でしょう。やめる話を切り出すのは気が重いものですが、品物をやめても、年末のあいさつまでやめるわけではありません。
義実家のない家や、自分の実家だけとやりとりする家もあります。贈る先が1つでも、1つもなくても、少しもおかしくはないのです。
取引先や会社として贈るお歳暮は、考え方が別です。時期と金額の決め方は、ベンチャー・スピリット!のお歳暮の贈り方 取引先に届ける時期と、毎年迷わない金額の決め方でご覧いただけます。
11月のうちに家族で確認すること
相手、続け方、予算、名前の順に決めていくと、話が途中で止まりません。パートナーと暮らしているなら、2人で一度話しておけば十分です。
- 贈る相手を書き出す(義実家、自分の実家、おじやおば、きょうだいの家など)
- 相手ごとに、毎年贈るか、今年で区切るか、贈らないかを選ぶ
- 家計から、お歳暮に使う1年分の予算を決める
- 贈る先が両家にあるなら、品物や金額をそろえるかを決める
- だれが手配し、だれの名前で贈るかを決める
- その家と話しやすいほうが、ほしい物と受け取りやすい日を聞く
金額に決まりはありません。両家でそろえる家もあれば、相手の好みに合わせて品を変え、予算だけそろえる家もあります。どちらの家にも説明しやすいほうを選べば十分でしょう。のし紙に入れる名前は、一般的には姓だけか、贈る人のフルネームです。夫婦で贈るなら連名にする家もあります。親戚の子へのお年玉も同じ時期に額を決めるなら、お年玉の相場は年齢でいくら?親戚での金額のそろえ方とポチ袋の書き方の進め方とあわせて話すと、1回で片づきます。
6番目を聞く役は、その家の様子が分かるほうです。義実家ならパートナー、自分の実家なら自分、という分け方が話しやすいはず。ただ、義両親と普段メッセージをやりとりしているのが自分なら、自分から聞いてかまいません。親子どうしなら「今年もお歳暮を送りたいけれど、食べたいものはある? 冷蔵のものなら、受け取りやすい日も教えてね」、義両親には「今年もお歳暮をお送りしたいのですが、召し上がりたいものはありますか。冷蔵の品にするなら、受け取りやすい日も教えてください」と聞いておけば、品物と届く日が一度に決まります。
届けるのは12月20日ごろまで
一般的には、お歳暮は12月上旬から20日ごろまでに届くように贈ります。11月下旬から贈る人もいますし、年内に届けばよいとする地域や家もあります。
年末に帰省して手渡しする家なら、時期は帰る日に合わせれば十分です。手土産と別に持っていくか、一方にまとめるかは、出かける前に決めておくと迷いません。帰省の手土産と手伝いの決め方は、年末年始の義実家への帰省、手土産と手伝いは出発の前に夫婦で決めるでご覧いただけます。
年内に届かなかった年は、表書きを替えて贈ります。一般的な切り替え方は次のとおりです。
- 年が明けてから松の内までは「御年賀」。松の内を1月7日までとする地域と、15日までとする地域があります
- 松の内が明けたら「寒中御見舞」。目上の相手には「寒中御伺」と書く人もいます
- 寒中見舞いの区切りは立春の前日。国立天文台の暦要項では2027年の立春が2月4日なので、2月3日までです
どれも慣習で、日付が決まっているわけではありません。それでも目安の日付が1枚にあると、手配が遅れた年にも慌てずに済みます。
お歳暮を届ける時期と過ぎたときの表書き、のし紙の目安、宅配の箱に入れる手紙と郵便で出す手紙の分け方作成: 編集部 / 出典: 国立天文台・日本郵便・総務省・e-Gov法令検索
品物は受け取る日から選ぶ
お歳暮の品は、一般的には食べ物や洗剤のように使い切れるものが選ばれます。絞り込むときは、人数や好みに加えて「いつ、だれが受け取るか」まで考えておくと外しません。
12月は、ほかの親戚や知人からの品も届きやすい時期です。冷蔵庫がいっぱいの家に、生ものが重なることもあるでしょう。冷蔵や冷凍の品を贈るなら、届く日を先に相談しておけば、受け取る側も冷蔵庫を空けて待てます。
日持ちを見分ける手がかりは、期限の表示です。消費者庁の食品ロス削減ガイドブックによると、原則として、傷みやすい食品には「過ぎたら食べない方がよい期限」の消費期限、比較的日持ちする食品には「おいしく食べることができる期限」の賞味期限が付きます。年末年始に家を空ける相手には、常温で保存でき、賞味期限まで日のあるお菓子や缶詰を選ぶと、受け取る日を気にせずに済みます。
相手が楽しみにしている定番があるなら、毎年同じ品を続けるのも1つの形。選び直す手間も省けます。
のし紙は、一般的には紅白の蝶結びの水引に「御歳暮」と書いたものを掛けます。生の魚や肉を贈るときは、右上の「のし」の飾りが無い掛け紙にするのが一般的です。
宅配の箱に入れてよい手紙の線
品物を宅配便で送るとき、箱の中に入れてよい手紙には、法律の線が引かれています。
郵便法は、運送会社が手紙などの「信書」を運ぶことを禁じています。頼む側も同じで、運送会社に信書を託してはいけません1。例外は、荷物に添える封をしていない添え状と送り状です。日本郵便も、ゆうパックやゆうパケットなどでは信書を送れず、送る品についての簡単なあいさつ状のような、無封の添え状なら同封できると案内しています。
信書とは何でしょう。日本郵便の説明では、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」です。義母にあてた手紙も、いとこへの近況報告も、これに当たります。
では、添え状にはどこまで書けるのか。総務省の「信書に該当する文書に関する指針」によると、添え状は、品物の目録や性質、使い方を説明する文書と、品物の送付と密接に関連した簡単な通信文です。どちらも、品物に「従として」添えられるものに限られます。簡単な通信文として挙がっているのは、送る目的を示すものや、受け渡しや代金についてのもの、送るときのあいさつのためのものなど。主役は品物で、手紙はそれに付いていく、という関係です。総務省のチラシには誕生日プレゼントにメッセージを同封する例があり、「プレゼントを送るきっかけとなったお祝いの言葉や一般的な挨拶の文言などは許容範囲」と答えています。
お歳暮に置きかえると、贈るきっかけである1年のお礼や季節のあいさつ、品物の説明、子どもの「いつもありがとう」くらいの一言は、チラシの答えに照らして箱に入れられる範囲と考えられます。反対に、子どもの成長や仕事の近況は、品物の送付とは別の知らせです。便せん何枚にもなれば、手紙のほうが主役になってしまうでしょう。そうした手紙や、子どもの絵と、園や学校での様子は、郵便で出せば線の内側か外側かで迷わずに済みます。
添え状と、郵便で先に出す手紙
箱に入れる添え状は、一筆箋やカードに数行で足ります。差出人は家族の名前を並べても、姓だけでもかまいません。
子どもに書いてもらうかどうかは、その年の様子で決めてかまいません。書くなら、添え状とは別の小さなカードに一言だけ。話したいことが多い年は郵便のはがきの余白に回せば、箱の中は短いあいさつのまま保てます。
近況も伝えたいときや、改まった相手には、品物より先に届くよう、はがきか手紙を郵便で出す形があります。品物の手配より数日早く出せば、先に届きやすいはずです。受け取る側にとっても、届く日と中身が先に分かるのは助かるものです。
届いたら、お返しより先にお礼を
お歳暮をいただいたら、一般的にはお返しは要りません。そのかわりに大切なのが、届いたことを早めに知らせるお礼です。義実家や親しい親戚なら電話やメッセージで、改まった相手にははがきで、と相手に合わせて選べます。
字が書ける年の子どもなら、はがきの余白に「ありがとう」と書いてもらう手もあります。電話口でひとこと伝えてもらうだけでも、きっと伝わるでしょう。
帰省しない年の、届いた品へのお礼や年明けのあいさつには、年末年始に帰省しないときの伝え方 だれがいつ電話するかと文例の文例も使えます。
こちらからは贈っていない相手から毎年届くなら、お礼の連絡に「どうぞお気づかいなく」と添えておくと、相手もやめどきを作りやすいはずです。
やめる年は、最後の年のあいさつで伝える
やめると決めたら、何も言わずに止めるより、最後の年に一言添えるほうが、相手は戸惑わずに済みます。いきなりやめず、お中元をやめてお歳暮だけにする、品物をやめて年賀状のあいさつにする、と段階を踏む家もあります。
伝える役は、その家と話しやすいほうに。理由は「お互いに気をつかわないように」くらいで足ります。おわびの言葉を重ねると、かえって相手が気にするかもしれません。
最後の年の文例は、品物を送るときのあいさつに一言を足した形です。ただ、来年からのことを知らせる文が、指針の挙げる添え状の通信文にそのまま当たるとは言い切れません。品物より先に届くはがきに書いて郵便で出せば、迷わずに済みます。理由を丁寧に伝えたいときも、郵便のはがきや手紙にします。年賀状で伝えるなら、日本郵便は2027年用の年賀状の受け付けを12月20日に始め、元日に届けるための投函の目安を12月27日としました。
贈る年も、やめる年も、短い一言が気持ちを運んでくれます。まずは今月のうちに相手の名前を書き出して、それぞれに「毎年」「今年まで」「贈らない」の印を付けてみてください。
郵便法と総務省の指針、暦と年賀状の日付、期限表示の説明は、2026年11月3日に確認しました。